=少し高度な評価実験=


初号機や弐号機において,600Ω:10Ωの比率のトランスの使用が
ダイナミックスピーカーを鳴らすのに有効であった理由

 (副 題: 大型LOOPアンテナのインピーダンス? 検波部の動作抵抗? )

※ 回路1-2-2(2007年以降),3KΩ〜5KΩ:8Ωが最適値と判明・・・。

(仮 説)
  ・ 大型LOOPアンテナと検波回路からなる信号源インピーダンスが600オーム付近に
    あり,たまたま手元にあったスピーカートランス(600Ω:10Ω)が,この用途に適していた。
    これにより,信号エネルギーがスピーカーに効率良く伝えられたとものと推測。
     
  
(検 証)
  ・ 大型LOOPアンテナのインピーダンスの測定

    アンテナアナライザーが身近に無かったので,
    バルボル(高周波電圧計)を使って測定を試みた。
    測定プローブに取付ける入力抵抗を,
    無し・50Ω・75Ωの3条件に変えて受信端子電圧を測定
    し,アンテナの動作抵抗を推察。
      測定回路

       被測定LOOPアンテナ + (直列に)可変コンデンサ + 高周波電圧計(∞,75オーム,50オーム)
  
    結果:H13.12時点で使用中のアンテナで,計測したところ, 200Ω前後の値となった。


  ・ 検波ダイオードのインピーダンスの測定

     下図のような試験回路で、3種類のダイオード素子の静特性を測定し,
     この特性カーブの傾きから、動作抵抗を推察した。


測定結果(2000/11/18)

わかったこと

  1) やはり,三種類のダイオードの中では、1SS106が微小信号の検波に優れている。
     
 ( 順方向電圧が小さく、微小信号の検波に適している。
         検波出力電圧=受信電圧−順方向電圧、でありエネルギーロスが小さい )

     1SS1588(シリコンダイオード)は順方向電圧が大きく小信号の検波には不適。

  2) 順方向電流が200μA以下では200〜300Ω
          
 ( 初号機および弐号機の動作点は 100〜200μA ) 
  
    追伸:3年後に出版された,
     ”高周波技術センスアップ101” ( CQ出版 初版2003年12月15日)
      
  第6章 ダイオードの動作抵抗の周波数特性
      
  の項にて、
        直流でのダイオードの動作特性から、交流信号で動作した際のインピーダンスを推察する方法について紹介されて
        います・・・。(2010.5.8)

  3) 倍電圧検波部の動作抵抗は,ダイオードを2本使用しているので,2倍の600Ω前後と考えていたが
     4倍の1.2KΩ〜1.3kΩの模様。
       (↑検証その2,その3の結果から。 倍電圧検波⇒4倍のインピーダンス?)


  【検証その2】
      目的: スピーカートランスの一次側インピーダンスの最適値を確認する
      
      方法:倍電圧検波出力部の負荷として可変抵抗器(12.5KΩ〜500Ω)を接続。
          負荷抵抗を変化させ,負荷電圧を測定 ⇒最大電力となる抵抗値を計算し求める。
              電力Pは,電圧をE,抵抗をRとしたとき,  P=E2/Rの式で計算した
            
      条件: 東北放送 1,260KHz
           電圧測定:受信器内臓の直流電圧計(2.5級 2.5Vフルスケール)
           可変抵抗器50KΩ,抵抗値はデジタルテスタ(7621-01 YOKOGAWA )で測定

         
                            
     結果して,
     教科書どおり,電圧が1/2となった点で,最大電力を示した。
     この時の可変抵抗器の値,約1.5KΩが,
     アンテナ倍電圧検波回路インピーダンスと思われる。
     

                                           2014/02/23
  【検証その3】
      アンテナインピーダンスの簡易測定

      倍電圧検波の入力部分に可変抵抗器を直列に接続し,
      受信器のメータ(直流電圧計)が半分の振れになる値を測定してみた。
  
      結果は 199Ω
                                           2014/03/01


  【検証その3-2】
     アンテナインピーダンスの簡易測定?
 

     受信機のアンテナ入力クリップとアンテナの間に可変抵抗器VRを直列に接続し,
     受信器のメータ(直流電圧計の値)2.25Vが半分の 2.15Vの振れになる値を
     測定。
  
      結果は 
 68Ω 1260KHz
          453Ω  891KHz ハテ?

                                      
2024/11/13



    ・受信機の入力インピーダンスを測定してみた →  436Ω 
   
           
           
               測定条件
                 ・ LOOPアンテナとの接続クリップ黄・灰色をはずす
                 ・ VRは取り外すか,ショートクリップを付けて 0Ω状態にする
                 ・ 受信機は予め1260KHZに同調させておく
                 ・ インピーダンスアナライザ
                     アンテナ接続クリップ黄・緑をインピーダンスアナライザに接続
                     アナライザの周波数を変化させ、
                        1260KHz付近で インピーダンス最大を示すこと確認
               測定結果
                 ・ INP   436Ω+j0
                 ・ SWR  7.72(50Ωに対する値)   (記:2024-11-12)
               




  【検証その4】
      
アンテナアナライザ(SARK100)で
      LOOPアンテナのインピーダンスを直接測定

  *****************************************************************
    
  *****************************************************************

      結果は @ 51 + j145   
            (※測定周波数 1,140KHZ  放送波の無い周波数で測定)

           A L = 28.5μH

           B Z = 155Ω

             
         
       
                                       2016/03/31


      ちなみに直流抵抗は 1.1 Ω 
              (7621-01 YOKOGAWA ) 


    





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著作権情報
初 版    :2000/11/19
最終更新日:2016/05/03