回路図(その1:初号機)と比較して、
部品点数的には電解コンデンサ(C3)が1コ増えただけですが、
回路動作的には、次の事項が異なっています。
1. 倍電圧検波した復調信号をスピーカー回路に接続している。
(実は、初号機も倍電圧検波回路として使えるので、
この回路にする必然性はなかったのですが、アース回路側をすっきりさせる
ことができることから、採用しました。 )
2. 検波出力の直流成分でメーターを振らしている。
この結果、音声成分のエネルギーを損なわず、メーターを駆動できた。
( 交流成分(音声信号)は、C3でパスしているので、
音声信号を損なわずにメーターを振らしている。)
これにより、メーター表示機能を損なわないで、
スピーカーに供給される電力を2倍にすることができました。
3. 音質の問題
実は、この回路においては、若干の歪を感じます。
とくに、受信アンテナが今回使用したものよりインピーダンスが高い場合は、
さらに顕著に歪む模様です。
今回のような用途(ゲルマラジオとしては大電力を扱っている)では、回路1−2の回路による
倍電圧検波回路の方が適しているようです。
(回路図に現れる部品)
T1 |
バーアンテナ |
R |
220Ω |
T2 |
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M |
電流計 fs100μA、200mV |
Vc1,2 |
ポリバリコン 200pFmax |
ミノムシクリップ |
黄、緑、赤、黒 各1コ |
D1,2 |
ショットキーダイオード 1SS106等 |
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C1,2 |
磁器コンデンサ 0.001μF |
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C3 |
電解コンデンサ 330μF/6.3wv |
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ST-45の代替としてはST-32(1200Ω:8Ω)も使えます。(但し、若干音が小さくなります)
↑600Ω:10Ωでも実用になったというのが正しい表現でした(2013/6/10)
後日,5KΩ〜10KΩ:8Ωが最適と判明し,現在に至っています・・・。
Vc2には、必要により100〜200pF程度の磁気コンデンサを並列に接続します。
Rは使用するメーターと受信アンテナ等の状態により調整が必要となります。
C3は33μFでも十分と思われます。(たまたま目の前にあった330μFを使用したもの。)
(回路図に現れない部品、材料)
(必要な工具)
は、回路図(その1:初号機)の項を参照下さい。
ところで、
【 同調回路(T1、VC1)はスピーカーを鳴らすのに必須の回路? 】
試しに、初号機および弐号機で
T1とVC1を取り去り、VC2によるチューニングのみによる受信をしてみたところ、
1 ) 一番強く受信できていた東北放送(1260kHz)の受信には、
大きな不都合は無いものの、1089kHzのNHK第2の混信がわずかに感じられる
程度まで悪化した。
2 ) 他の2局(1089kHz,891kHz)は、東北放送の混信が大きすぎて、
最良のチューニング状態でも、
混信の中でなんとか放送内容の一部が聞き取れる程度。
という実験結果となりました。
結 論
T1,VC1による(選択)同調回路は、スピーカーを鳴らすことだけの目的においては、
必須の存在ではない。
アンテナと受信回路のインピーダンスマッチング(整合)の方が重要。
クリスタルイヤホンで聞く、ゲルマニウムラジオの場合でも、
近くに強力な放送局が1局しかない場合は、
(選択)同調回路は不要で、
アンテナ+検波器(ダイオード)+イヤホンの組み合わせで、
実用になります。
著作権情報
初 版 :2000/11/05.
最終更新日:2002/05/18.