ゲルマニウムラジオの工作
【東日本大震災】
3.11東日本大地震(大津波)やその後の余震で被災された皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。
(2011/04/14)
【防災ラジオ】
本HPで紹介のAMラジオは,
3.11東日本大地震と,翌月の 4.07最大余震の激しい揺れで,二度とも机から転げ落ちました。
幸いにも故障する事無く停電期間中の心強い情報源として活躍してくれました。
(2012/03/11 )※AM局の運用休止に係る特例措置(総務省 2023/03発表)・・・・・・2024年より運用休止の試験を開始する放送局が発表されました
”イヤホンで微かな音を聞く無電源ラジオ”という既成概念にとらわれず、
【メータ表示値の変遷】 詳細は、回路図やアンテナ・スピーカなどのページを参照ください。
受信電波のエネルギーだけで,スピーカーを実用的な音量で鳴らすことに挑戦してみました。
ゲルマニウムラジオに興味をお持ちの方の参考になれば幸いです。 (2000/09/30)
Video4547.avi チューニング Video 4548.avi_2020-04_9時のNHKニュースです ↑標高300mの低山にて Video4380b.MPEG 2020-03
写真は2000年夏に製作した受信機です(当初は小型のスピーカトランスを内蔵していました)。
電圧計の針が約300mV(回路1-1)を指していますが,もちろん,このエネルギー源は受信電波。
受信機の横に置いてあるのは,大きさ比較のために置いたマイクロカセットテープです。
受信器本体は,この写真で見るより小さく,手のひらに収まる程 ( 60W×60H×120D )です。
中波ラジオ送信所(送信電力20kw)から約10kmの距離で,
日中帯にスピーカーから5〜6m離れてもアナウンサーの声が明瞭に聞き取れる音量が得られました。
ゲルマニウムラジオ特有の能動素子を通らない, 澄みきった音がスピーカから聞こえてくる
のは感動的です。 (2000/08/20 初号機 回路1-1 )
これまでに以下のような変遷(メータ表示値や、音の大きさ)がありました。
・ 局名の記載ないものは,東北放送(1260KHz)を受信したものです。
・ メータ回路の駆動エネルギーの表記について
メータ回路の消費電力 = メータ指示電圧2 /(メータ内部抵抗+外付け抵抗)・・・・・で算出しています
アンテナ や 検波器出力_電圧と電力 スピーカートランス や スピーカー出力
備 考受信アンテナ
形 状 /頂部地上高メータ回路 駆動エネルギー
( ≒ 受信電力 ?)回 路 C3 スピーカ
トランススピーカ
効率音 声
電 力音の
大きさ
スピーカから
1mの位置メータ
指示値メーター部
内部+外付メータ回路での
消費電力m V Ω mW dBm μF dB/
W(m)dBm dBw dB(A) 2000/09/30 ループ
周長約40m15.0 0.3 1.5k+1k
FS 0.5V0.036 -14 回路1
初号機無 ST-45
600:8Ω
内臓80 -13 -43 37
推定この当時は,
スピーカートランスの一次側の
直流抵抗(約70Ω)が共振回路の
大きな負荷(Qダンプ抵抗)となり,
選択度を著しく低下させる
メカニズムに気付かず。
2007/05/06 1.6 1.5k+11k
FS 2.5V0.20 -6.9 回路
1-2-247 ST-32
1.2K:8Ω
内臓94 -15 -45 49
推定スピーカートランスにカップリング゙コンデンサを挿入
することで,共振回路の負荷が大幅に軽減
⇒選択度の劇的な改善と
メータ指示値激増 (0.3V⇒1.6V)2008/05/05 ループ゚
方位変更2.1 0.35 -4.5 OPT-41-357
春日無線製
3.3K〜10K:8Ω
外付-14 -44 50
実測トランスの一次側インピーダンスは3K〜10KΩが
音圧や音質の点でベター。
1.7KΩタップでは歪音を感じた。2008/07/19 1.45 - - - 回路図3 2008/08/08 1.9 1.5k+11k
FS 2.5V0.29 -5.4 回路
1-2-4ポリバリコンを2組実装し,選局SW設けた 2009/09/22 12.5 2.5
振切れ0.50 -3.0 94 -11 -41 53
実測屋根の上にあるTVアンテナマストに釣竿を
くくりつけて,スロープを持ち上げ
→ループ面積を拡大。
2009/12/20 屋根軽量化工事に伴い,やむなく引留位置を変更
1.75 0.25 -6.1 -14
推定-44
推定50
実測スロープ部分留め位置変更(方位悪化)
2010/05/05 方位戻し 2.0 0.32 -4.9 回路
1-2-553 屋根上スロープの引留めを適正位置に戻し 2011/01/16 ワイヤーの弛み修正。 2.5 0.50 -3.0 55
推定2011/03/11 東日本大震災 2011/04/07 著しく大きな余震 2012/06/17 季節や天候での変動? 2.0⇒2.5 東北放送 1260KHz 94 2V付近までメータ表示が下がってきた為,
スロープ部分の弛みを直し 2.5v超に戻りました!2013/01/14 1.50 メータ振れ減少? ,アンテナの弛みは無・・。 2013/06/22 2.05 07:30 曇り 外気19℃ 2013/09/01 2.45 14:43 晴天 外気31℃ 2014/03/16 1.25 TOA製
TC−51M
レフレックススピーカー
のトランス部のみ流用
1次:2K,3.3K,10Kから選択
2次:8Ω
外付
眺望が良かった南面の隣地(平屋の納屋),
に新築総2階の家出来た頃から急減?2014/06/18 13.0 1.45 鉄塔頂部引留部を 50cm嵩上げ 2014/08/17 2.5
振切れ指針の急増・・原因不明
妻の推察:机回りの清掃が貢献
私の推察:外気温の上昇?
2015/02/08 1.75 NHK 第一 891KHz 以前は1.25V前後だったような 記2016/01 2015/12 屋根に太陽光発電パネル設置 太陽光パネル・架台・金属屋根の接地配線 (追記 2024/12/03)
2016/01 LOOPアンテナ給電線張替 架空配線引込 → 軒下配線し引込・・・・僅かに指針振れ低下 2016/05/23 2.40 東北放送 1260KHz 94 NHKの受信電力増加。
送信アンテナ近傍の大きなビル解体影響?2.00 NHK 第二 1089KHz 2.10 NHK 第一 891KHz 2020/04/27 1.75 東北放送 1260KHZ 2.25 NHK第一 891KHZ 2024/06/12 05:00 1.7 東北放送 1260KHZ 05:00 約1.8
NHK第一 891KHZ
減力放送_20kw→5kw_点検整備のため
・・・ 9時〜16時
6/29_20KW→4Kw とアナウンス
09:12 約0.9 15:54 約1.8 2024/09/24 05:00 1.0
↓
2.25NHK第一 0.405 -3.9 アンテナ系に使用の,みの虫クリップ内のお粗末簡なカシメ接続発見! ハンダ付し受信電圧_復活。
束売り「みの虫クリップコード」の品質疑わず何年も使用・・・反省!!
2.0 東北放送 0.320 -4.9 2024/11/26 18:00 2.2
NHK第一
0.387 -4.1 アンテナ給電線の低浮遊容量化(架空に戻し)と
C1,C2の足切断(22日)したら,東北放送の
信号強度増加したような・・・ハテ2.5
東北放送 0.500 -3.0 2024/12/11 20:00 2.5 NHK第一
0.500 -3.0 C1,C2 0.001μF →100pFに変更
NHK第一(891KHZ)でVC2容量不足判明
→VC5追加(調整後実測値20PF)
時報受信時限定ながら
10年ぶりにメータ振り切れを確認
2.5 東北放送 0.500 -3.0 2024/12/12 17:20 2.5
振切れNHK第一
東北放送− − 大型LOOPのインダクタンス値および給電線の謎が解けたかもしれない。
両局とも無音時でも最大目盛り越え,
音声ありで振切れ・・2008/06/22 面積1u
小型LOOPアンテナ
-30dBm5 − 12.5K − − 回路
1-2-547 OPT-41-357
春日無線製
3.3K〜10K:8Ω
− − − − 受信電力が
予想値−20dBm より 10dBも小さい!
なぜ・・・?
この2年後に原因判明!(2010/09/25)
2010/06/06
面積1u
小型LOOPアンテナ
-19dBm5 0.047 10K 0.00022 -37 回路図3 94 スピーカーから15cmが限界・・・。 0.150 12.5K 0.0018 -27 回路
1-2-5-67
推定27
推定スピーカーから1m離れても十分内容が判る品質
・・ある意味限界レベル。
2010/09/25 4 0.250 0.0500
-23
-62
推定32
推定※想定していた受信電力(-20dBm)が
やっと得られた。
※スピーカーから2〜3m離れてもアナウンサーの言葉
が聞き取れる程の音圧。2024/10/18 5 0.250 NHK第一 0.0500
-23 NHK第一(891KHZ)と東北放送(1260KHZ)
両方受信には 5ターン必須(112μH)東北放送 2010/06/12 電灯線アンテナその1
−11dBm- NHK 第一 891KHz 回路図3 OPT-41-357
春日無線製
5K〜10K:8Ω
外付スペアナで 約-10.5dBm を確認
※庭のアース棒(22Ω)使用2011/03/05 電灯線アンテナその2
−19dBm- 東北放送 1260KHz 回路図3 ペアナで 約-19dBm を確認
※2Fで金属製外壁をアース接地として使用
【 同様の受信できる可能性があるエリア(参 考) 】
受信アンテナの大きさや地形等により大きな差が出ると思われますが、
大型のループアンテナ(※)の使用と、
送信所と受信点間に、山や高層ビル群等の遮蔽物が無く、
双眼鏡等を用いて,送信アンテナが目視できる環境で以下の距離
・ 送信電力が100kwなら、送信所から 23km
・ 送信電力が 20kwなら、 〃 10km ←私のロケーション
・ 送信電力が 2kwなら、 〃 3km
・ 送信電力が 100wなら、 〃 0.7km(2010/06/05追記)
が一つの目安かと思います。 (詳しい計算表(参考)はこちら)
2010年5月 撮影
↑実際は,右側のVC2 だけではなく, 左側のVC1 も交互に動かして、指針が最大値になるよう調整。
右上の写真は最終形態。 2局のプリセット受信のためのVCを持ち、背面のスナップSWで選局します。
最近のラジオやステレオチューナーでは見かけることがなくなってしまった指針式の
信号強度表示メータは,アンテナの性能比較やチューニング操作の確認のため,
必要に迫られ付けたものです。
メーターの針が最大に振れるように二つのダイヤルを交互にチューニングしていくのは大変楽しく,
必要もないのに,この操作をしてしまうほどです。
受信機(初号機)の内部構造: 2000年08月20日 撮影
底板はカマボコの板、箱は綿棒(糸ようじ?)が入っていたケースを使用しました。
透明な蓋の内側に電圧計がぴったり入ったこともあり、ケース加工を極限まで減らす
ことにも挑戦しました。
・ ポリバリコンは付属のビスで固定。
・ メーター・平ラグ板・ゴム足は両面テープで固定。
・ スピーカーやアンテナは、ターミナル端子を使用せずにミノムシ
クリップ(ワニグチ)を使用。
・ 穴あけは、ポリバリコンと後部の線材通過部分(大小 計8個)だけ。
この構造の採用により、
・少ない穴あけ加工で、美しい工作ができた。
・内部の回路や表面のメーターが透けて見える。
・毎日の使用に必要な機械的強度、ホコリが進入できない密閉構造。
・内部の回路変更などを行うとき、簡単にケースを開けられる。
といった特徴があります。
※ この機械強度と密閉構造のおかげで,24年を経過した現在も元気に稼動しています。
製作したゲルマニウムラジオの紹介
本機(初号機)の製作は、夏休み(2000年)の自由研究として、
取り組んだものです。
実際の自由研究のリポートの構成は、以下の構成をとりました。
・ 研究のきっかけ
・ 本用途に適したスピーカーの検討
・ 受信回路の試行錯誤の過程
( 試作機 〜 初号機まで )
・ アンテナの形やアースの種類の組合わせによる、
比較予測 ・ 結 果 ・ 考 察
( ランダムワイヤー 〜 ループアンテナ )
・ 研究を終えての感想
・ 参考資料
( 参考となった,BCL関係Webサイト、書籍名の抜粋、
BCLカードをもらった際に放送局に送った受信報告書、
放送局の送信所と受信地点の位置関係がわかる地図(送信所の写真を貼付)
等を添付しました。 )
絵や回路図はパソコン(ワープロやCAD)の使用を避け,全て手書きで作成
(この当時の審査者の多くが自然科学系の先生方であったことを強く意識)すると共に,
指導者の色が出過ぎない様努めました。
( 夏休みの自由研究として取り組む場合のヒント )
【 参考にさせて頂いた Webサイトなど 】
電子メール アドレス
junk laboz@yahoo.co.jp (※←ロボット対策のスペースは詰めてください→junklaboz )
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開局当初のQSLカード(交信証)の挿絵_1974年 |
REXON→ DP2250R |
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管理者のプロフィール 昭和30年代生まれ。 少年時代に憧れていた多くの測定器に囲まれる職場(設計・製造現場)に十数年勤務。 その後の電気通信事業会社(30年ほど勤務)では限定分野の測定器しかなく若干欲求不満? このようなこともあり、菊水製実験用電源(アナログ指針形)を眺めて懐かしく思ったり、 オシロ・RFミリバルなどを集めてしまったのかもしれません。 |