スピーカーが鳴るAMゲルマ・ラジオのアンテナ


【ループアンテナ(1辺1mの四角形)の実力について 】

     類似ページ(送信所 距離1kmでの受信実験 & 一辺1m正方形アンテナの諸元)はこちら
     類似ページ 100W局_距離4kmの受信点で,スピーカーで聞くことができるか?・・・はこちら 
     ループアンテナ(1辺1mの四角)に期待する利得について・・・はこちら    
    
【未解決の課題】
      『ゲルマラジオ制作徹底ガイド』(2008/12/22発行 誠文堂新光社 )
        に掲載の,1m角_LOOPアンテナの受信電力が想定の1/10だった理由?
 
 

 
    ( 撮影:2008年6月22日 ) 

 
         (2010/06/06)

 
文字盤に ×10mV の表記ありますが
正しくは  ×0.1V   FS(フルスケール)2.5V
指針は 0.25V を指しています

【2008年】

 左上の写真は,一辺1mの正方形×巻き数4回
 ループアンテナを2階ベランダに設置し,受信電力を測定
 した際の画面です。

(測定条件)
  ポリバリコンを直列に接続し,1260kHzが最大となる様調整。


( 結 果 )
  周長約45m(頂部15m高)の大きなLOOPアンンテナの
  約1/100 の面積であることから,
  −20dBm(10μW)前後の受信電力が得られるはずと
  の自信をもって臨んだが,
  −30dBm(1μW) の大きさしか得られなかった。

  
                         
  この時,
  1260KHzの裾野の形が不自然なことには気付いたものの,
  ・・・原因追及に至りませんでした。 


【2010年】
 再試験方法のアイデア(180度回してみるだけ・・・)
 がひらめいた。

( 2008年に失敗したメカニズムに気付いた!)
  
※電灯線アンテナの実験で
    屋根の金属板及び,外壁の金属系断熱パネルと
    商用電源(2Fコンセント)の間に現れる中波ラジオ波の受信
    電力が-20dBm前後であった。

  ※ 1m角のLOOPアンテナで期待される受信電力も−20dBm
    商用電源を使用しているスペアナが繋がったLOOPアンテナは,
    
電灯線が関与する受信電力の影響を受けるため,
    電灯線アンテナとしての受信電力と,LOOPアンテナの受信電力が
    合成される。
    二つの受信信号が逆相の場合→信号が打ち消し合う
    また同相の場合は強め合うものと推察
    2008年の測定写真で、1260KHZの放送波の裾野が不自然な形をして
    いたのはこのため
      
(今回の実験での留意点)
  ポリバリコンを直列に接続し,1260kHzが最大となる様に調整。
  ※共振時のポリバリコンの静電容量も測定(結果188pF)
  ※ループ面を受信レベルが最大となるよう,360°にわたり回して
    探る。

    2008年の試験では,360°回すのは無意味と思い込み
    既知の方向の±30°程度しか探らなかった(失敗原因) 

( 実験結果 )
  当初想定していた−20dBm(10μW)前後の
  受信電力をやっと確認!

                            
(判明したこと)
  LOOPアンテナ端子とスペアナのRF入力の極性を逆にしてみると,
  10dB前後悪化し2008年6月に観測された変な裾野再現

  入力の極性をそのままにして,
  LOOP面を180度回転させでも変な裾野が再現!   
                              (2010/06)
  実験前に思いついた推定メカニズムどおり 
  電灯線(商用電源)および自宅の金属系の屋根と外壁がアンテナとして働い
  ており、一辺1m角の LOOPアンテナに匹敵する受信電力をもっていた。
  二つの要素が逆相で弱め合あったときに,-30dBm。
  同相で強め合うときに,-19dBmになったもの。
  従って 3dB減じた 
  −22dBm が建物等の影響を除外した受信電力と思われる。

(ほぼ確定したこと)
  ・大きさの異なるLOOPアンテナの利得は,
   その面積に比例する
  ・LOOPアンテナの利得は,
     ループ面積とダイポールの実効面積に比例。

  
                     

( 受信機に接続 )
   メータが0.25Vを指しています。
   送信鉄塔から10km離れた場所にて,
   一辺1m程のLOOPアンテナで
   アナログメータが振れるエネルギーが受け取れることに驚かされます!
                       (2010/09/25 21:00)

   このときのスピーカからの音の大きさは30〜36ホーン程度※
   で,静かな室内であれば、十分実用になるレベル。
            (追記:2012/7/8)
          (30→30〜36ホーン 訂正2024/09/23) 

   スピーカ電流 i=0.45mA ・・・・HIOKI 3293-50で測定
   スピーカ抵抗 r=8Ω
   スピーカ電力 p= i×i×8
          = -57.9dBm
   スピーカーSPL = 94dB/m
   音の大きさ  = 94−57.9
          = 36 dB/m ・・・・1m離れて 36ホーン

 

  撮影 2010年6月     給電方法:直接給電

『自宅 と 近傍の城址公園 で受信電力に大きな差が無い。
    さらに,東北放送・NHK第一とも ほぼ同じ受信電力(なぜ?)』

   

      東北放送ラジオ送信アンテナ  と 自宅大型LOOPアンテナの位置関係を示す断面図
      1m角の小型LOOP受信アンテナの場合,
               自宅      海抜20m+7m(アンテナ頂部)
               自宅裏の公園  海抜80m+2m(アンテナ頂部) 


    アンテナは自宅の2F屋根の上

     アンテナは海抜80m
         測定:2024-11-15

FM放送波のときは標高差により12dBの信号強度差があった・・
  見通し線上に丘陵上のマンションや送電線など
  があり,フレネルゾーンに干渉物・・・標高低い自宅
    
AM放送波では標高差による信号強度の差が認められず
  メータ表示は0.26V(メータ消費電力 -22.7dBm) 付近
           TBC・NHK第一ともに

  送信アンテナ本体の約65%が見え
  見通し線から送信アンテナ頂部にかけて送電線が
  多条見える状態(自宅)
  
  城址公園では見通し線のはるか下に送電線があり
  送信アンテナ本体の約85%が見える状態

  自宅屋根の上と、城址公園で メータの振れが
  ほぼ一緒??なぜ
  垂直偏波・地表波の威力で送電線の影響皆無?
  
     ・・文章編集中・・・

  確認できていないこと(自宅環境での)
    小型LOOPアンテナ の近傍にある
    大型LOOPアンテナ(給電線接続はずし状態・・非共振)
    の存在影響・・・・・・? 
    
    
               


  手軽なアンテナ製作 実践編(2-4)_インダクタンス計算
         https://mobiquitous.com/rfid/l.cgi
  
    ↑場合線材太さ0.5mm(0.75mm)とすべき所        線材0.75mm2 太さ0.5mm 1m角 5回巻 中波帯LOOPアンテナ
       作為的に0.75と入力した(右の計測値と関係・・)    測定:2024-11-15  5回巻で112μH 4回巻で75μHぐらいでした

       中波用LOOPアンテナのインダクタンス計算ができそうな計算TOOLがWeb上で各種公開されており,
       使って見た結果,長岡係数・コイルの出来上がり寸法(コイルの長さ)の扱い方に差があるためか,
       実測値の2倍のインダクタンス値が算出されるTOOLもありました。
      
      
              

   1260KHZと 891KHZを受信するためには、

   4ターン( 75μF)だとVCの容量不足で
       781KHZが受信できない。

   5ターン(112μF)だと 定格260PFのVCの
       実測値(最大値)が 300PFだったので
       両周波数を包含できる。


           


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著作権情報
初 版   :2000/09/30
最終更新日:2024/10/18