無電源FMラジオの工作

FM放送_受信アンテナの工作new

(副題:無電源FMラジオの遠距離受信_挑戦用アンテナについて )




著作権情報
初版
2024-01-07 FMアンテナの工作new】    
無電源FMラジオnewからの移植記事
2023-09-12  基準アンテナについて 市販室内用DP購入   
2023-10-23  基準アンテナについて 93.5MHzに調整
FMアンテナの工作newの改版
2024-01-08  150Ωフィーダを用いたFMアンテナの技術解説(12)ほかの参考文(13)(14)(15)(16)献を追加
2024-01-19      試作アンテナ@〜CZLスペシャルアンテナ の受信電圧測定 
2024-02-06      試作アンテナC’ 導波器付きZLスペシヤルアンテナ の受信電圧測定
2024-02-07      試作アンテナDLOOPアンテナ登場
     試作アンテナDの共振周波数測定→LOOPアンテナの周長延長率解明に挑戦
2024-02-13      試作アンテナ@CD_近所の公園(海抜80m)で受信電圧測定
     試作アンテナC_指向特性図,MMANAによる指向特性シュミレーション
2024-02-27      FDP(フォールデット・ダイポール) 地上高0.1〜2λでの共振周波数変化グラフ作成(MMNAシュミレーション)結果から,
       共振周波数測定を行いエレメント短縮率を求める際の勘所を考察 
2024-03-15  FMゲルマニウムラジオで  20.09kmの受信に成功
      
・・・・多聞山(海抜44m,七ヶ浜町)・・・TBC補完FM・NHK-FM_受信成功 ZLスペシャルアンテナ使用
2024-03-20      多聞山(たもんざん:海抜44m,七ヶ浜町)で受信音を録音
2024-03-27  FMゲルマニウムラジオで  27.94kmの受信に成功
       
・・・・大高森(海抜100m,東松島市) TBC補完FM_受信成功 導波器付きZLスペシャルアンテナ使用           
2024-03-31 副題を変更  (変更後)無電源FMラジオの遠距離受信に挑戦    (変更前)安価なFMアンテナの工作  
2024-04-16 マルチパス起因の酷い歪音の低減につながる同調コイルのインダクタンス値と
同調時のVC容量の関係性について,まだ追い込み余地がある事に気づき,同調コイルを新たに巻き直して交換
(同調上限を 120MHz→96MHzに変更)   ・・・ かなり良くなった感じ!! 
2024-04-17 近所の城址公園で,音声録音・参考映像撮影しました。 仔細は・・・こちらのページ
著しい酷い歪音(強いマルチパス起因)をなかなか克服出来なかった難所。 
3素子アンテナの指向性検波効率を追求した(12回巻き)同調コイルにより
                    → 過去最良の音質と音量に到達(総合評価5)
2024-04-21   58kmの受信に成功
        ・・・・牡鹿半島_御番所公園_展望台(58Km)での
               TBC補完FM_ほか計3局_受信成功  導波器付きZLスペシャルアンテナ使用

TBC補完FMとNHK-FM仙台は
,マルチパス起因による歪音に見舞われましたが,
4月16日実施の選択度UPが功を奏し3局の放送をアンプを介さないイヤホンで聴き取できました。
実測データほか資料は順次反映中・・・。

特記事項:
93.5MHZ用3素子アンテナで,だめもとでむりやり受信した DateFM(77.1MHz)は 受信電圧が会話聴き取り限界
(会話判読限界)より僅か+3.2dBの83dBμVでの受信でしたが,マルチパス歪音が少ないクリアーな受信音に助けられました。
2024-04-24 原点回帰という言葉が合っているか?ですが・・・初めて至近距離での受信実験を実施。

マルチパス歪が無縁と思われる受信点(1km〜2km)を探して受信実験を行いました。

結果して,
低歪の大きな音を確認することができました。

【製作したFM受信アンテナによる遠距離受信の主な成果】
   SINPOコードによる受信状態を表示,マルチパス歪音の状態,録音データの有無などを表記した
   表にまとめました。
   






【次に,参考文献や情報など】

参考文献など
  (12) http://www.intex.tokyo/notes/antenna/antenna-01.html
        FMフィーダアンテナについて
  (13) アンテナハンドブック CQ出版 1990.2.10 第8版
  (14) https://ja.wikipedia.org/wiki/ダイポールアンテナ 
        ダイポールアンテナの短縮率(短縮係数)について
  (15) https://engineer-climb.com/wave-length/#同軸ケーブルの波長短縮
  (16) アンテナ解析ソフト MMANA(アンテナ設計シュミレータ)
        
JE3HHT (xrea.com)
        MMANANでアンテナを設計する。 (hi-ho.ne.jp)
  (17) https://as76.net/ant/loop_ant.php ・
        ループアンテナの特徴・延長率について
  (18) https://ja.wikipedia.org/wiki/SINPOコード 
        BCLの受信報告において用いる受信状態を表すコードについて
  (19) https://crystal-set.com/report/o114.htm  
        5.5kmでの受信成功事例(2010-05)_再・ゲルマラジオでFM放送を受信したい
  (20) http://cgi.tiny.jp/tt/archives/2009_2_23_718.html 
        13kmでの受信成功事例(2009-02)_宮澤博士のBlog日記!FMゲルマニウムラジオで13Km受信に成功!
  (21) 卓上ボール盤 REXON DP2250R
        卓上ボール盤 REXON DP2250R 開封の儀とレビュー - Good Omen Factory
        DP2250R取扱説明書.pdf
        DP2250R 交換部品
  (22) 主な物質の比誘電率 - Wikipedia
  (23) 地球の湾曲に関する解説や計算
        地球の直径はどれくらい? | 自然 | 科学なぜなぜ110番 | 科学 | 学研キッズネット (gakken.co.jp)
        地上から見渡せる距離 - 高精度計算サイト (casio.jp)
        直接波が飛ぶ距離を計算してみる | jh4vaj
        http://fun-lemon.tea-nifty.com/blog/2008/01/post_4da3.html
             
『水平線までの距離』: アイズオンリーのひとり言… (tea-nifty.com)






【 本章の 目 標 】
   ・ 無電源FMラジオ実験用アンテナ(小型軽量,受信距離延伸チャレンジ用)の自作

        アンテナを自作する理由(目的)
          受信距離延伸チャレンジに有効と思われる,5〜6dBdの利得を有する市販アンテナは,
          5素子型(素子長1.9m×ブーム長1.8m,重量約2kg)。
          移動先で地上高3〜4mの高さに市販のアンテナを設営するためには,
          相応の強度をもったアンテナポールと支線が必要であり,
          受信点を車道の近くに選んだとしても運搬・設営が気軽とは言い難い
          
          自作の場合,特定周波数専用と割り切れば、5dBd程度の利得をもつ軽量アンテナは作成可能
          (例: 93.5MHz用 2素子、素子長1.5m×ブーム長0.4m,重量 400g程度)
          軽量なアンテナはアルミ製収縮ポール(4.5m)や,軽量なグラスファイバ収縮製ポール(3m程度)
          による設営が可能なことから,受信点選定の自由度が大幅に増す
          

   ・ 無電源FMラジオ実験用アンテナ(λ/2ダイポールより広帯域なアンテナ)の製作
         93.5MHzの受信用に準備したダイポールアンテナは,
         11MHz離れた82.5MHzで利得が 6dB程ダウン!
         広帯域なアンテナの形を模索し,基準アンテナとしての活用や,軒下アンテナとしての活用を検討。


【とりくみの_ながれについて 】

  1-0 基準アンテナについて
  1-1 
アンテナ用300Ω平行フィーダを活用したアンテナ製作例を調査 
  1-2 平行フィーダ・アンテナ(平行フィーダを用いたアンテナ)の試作
  1-3 同軸ケーブルをエレメントに用いたLOOPアンテナの試作
  1-4 試作したアンテナのフィールド試験 








【1−0 基準アンテナについて 】

   
    
     実験当初(2023-09-12)
     この市販ダイポールアンテナ(500円)を,無調整のまま添木にくくりつけて,
     屋外実験用ダイポールアンテナとして使用
     中継コネクタと S−4C−FBケーブルを介してレベルチェッカー(DLC-102)や
     無電源FMラジオに接続。
        購入し無調整のままのダイポールアンテナでの受信結果
           ・ 自宅2Fベランダ(海抜23m)から+4.5mポール   −26dBm(83dBμV/75Ω)  
           ・ 自宅アマチュア無線鉄塔頂部(海抜32m)で      −20dBm(89dBμV/75Ω)  
           ・ 近所の公園(海抜80m)+2m高さで         −14dBm(95dBμV/75Ω)   
                        
      
     その後(2023-10-23)、
      93.5MHzでの受信電圧が最大になるようエレメント長を調整→結果 695mm×2 に調整。
      これを基準DP695 と名前を付け,
      試作アンテナの利得(dBd)を決めるる際の基準アンテナとしても活用することにした
          ダイポール比利得(dBd)= 試作アンテナによる入力電圧−基準ダイポールアンテナによる受信電圧
 
        93.5MHZに調整したダイポール(DP69.5cm)による受信結果
           ・ 自宅2Fベランダ(海抜23m)から+4.5m高    −23.2dBm(85.8dBμV/75Ω)・・・ 測定2024-01-27
           ・ 自宅アマチュア無線鉄塔頂部(海抜32m)で      実績なし 
           ・ 近所の公園(海抜80m)+3m高さで         −8dBm(101dBμV/75Ω)・・・・・・ 測定2024-02-07


     ちなみに
      この被覆導線を使った DP69.5 の全長は   1.39mで 0.8664λ/2 

      エレメントに裸導線を使った場合,その全長は 1.55mで  0.969λ/2 
          
(導線の半径0.3mm 自由空間, MMANAでシュミレーション)
      この差は
        被覆材料の誘電率によるエレメント上での伝搬速度の低下によるもの
        厳密には,添木材料の誘電率(22)も影響していると思われ,乾燥材の
        採用と・雨天使用禁止とすることで、影響を極少にするよう留意しました。

                
【とりくみ,その1−1】
    アンテナ用300Ω平行フィーダを活用したアンテナ製作例を調査

          300Ω平行フィーダを活用した
             ・ フォールデット・ダイポールアンテナ(FDP)
             ・ ZLスペシャルアンテナ(輻射器用FDPと反射器用FDPを位相反転接続した2素子型アンテナ)
             ・ ZLスペシャルアンテナに導波器を追加した3素子型アンテナ
          が,今回の受信距離記録延伸チャレンジに適した有力なアンテナと考え製作事例を調査。


     アンテナ工作の資材について
          
             ※300Ω平行フィーダ
               アナログTV全盛時代にはVHFやUHFアンテナとTVの間の給電線として活躍。
               構造が単純で安価だが,現在は通販でしか入手できないのが難点。
               今回はアンテナのエレメントや位相給電ラインに使用。
               
                    オヤイデ電気さん・・・フィーダー300Ω 透明 (oyaide.com)



              ※75Ω:300Ω インピーダンス変換器
               DIYショップまたは通販で入手できる。 
               今回の使用目的:
                 フォールデットダイポールアンテナの給電点(300Ω)や,
                 1λループアンテナの給電点(100〜200Ω)に,
                 変換器をハンダ付け等により繋ぎ,
                 75Ωの同軸ケーブルが接続できるインピーダンスに変換。 
              


              ※Fコネクタ用 中継コネクタ:
              ※F/BNC  変換コネクタ:
              


              ※Fコネクタが両端に付いた市販の同軸ケーブルの例
                   ハードオフのジャンクコーナーで売られていたもの           
              


              ※ケーブルとコネクタを 個別購入し、自分で組付けた例
                   コネクタはケーブルサイズ( 4C とか 5C )に合ったものを準備要
                   任意長のケーブルが作れる利点あり
                      Fコネクタの組付け方法の参考Webは・・・・こちら F型コネクタの作り方 | デジミク (tidejionayami.info)
              

  テレビジョン受信用同軸ケーブル フジクラ・ダイヤケーブル 電設資材総合カタログ | FDC (fujikura-dia.co.jp)より抜粋
 



     アンテナ仮設試験用の収縮ポールの例
        
            
 
           茶色のグラスファイバー製 収縮ポールは,魚を水中からすくいあげる「 たも網用の収縮ポール」・・・ハードオフで新古品を2,000円で購入
           アルミ製の収縮ポールは(CP-45),アマチュア無線アンテナの移動運用用に30年近く前に購入したものです。 
           


        
             実験用受信アンテナ(ZLスペシャル)や市販の5素子FMアンテナを,
             地上13mの鉄塔上のアンテナマスト(φ49)に装柱する際のクロスマウントとして探したもの
                              定価は2,500円ぐらいですが、amazonだと1,500円ぐらいです。 


     近所のDIYショップにて  5.5φ×2.1m  @118円(税込)












 300Ω平行フィーダーを使ったFDやZLスペシャルアンテナの
               輻射器の全長を算出する際の係数について調査
 (副題:同一規格の300Ωフィーダを使用しているのに,
         輻射器の全長を算出する係数にバラつきが見られるのはなぜ?)




参考資料1  輻射器(Ra)全長 0.434λ
  設計周波数 81.53MHz

波 長 Ra Rf 単位 出 展
3.68
1.60 1.64 0.39 (m) 14/18/21/24/28/50/FM放送用各ZLスペシャルアンテナの検討 (xrea.com)

300Ωフィーダ使用
※FM放送用は設計値で実測評価は未実施・・
- 0.434 0.445 0.106 (λ)
- 1.025Ra - (λ)


参考資料2  輻射器(Ra)全長 0.42λ
  設計周波数 82.7MHz

波 長 Ra  Rf   S  単位 出 展

0.42 (λ) FM feeder antenna (intex.tokyo)

300Ωフィーダ使用,半波長折り返しアンテナ
給電部は300Ωフィーダで任意長さ
(m)
 

   ※参考記事の中に、輻射器の波長短縮率に関する以下記載があり
     ”・・・・・最終的に0.84程度の短縮率になります・・・・”   
            との記述があり, Ra=0.42λ と判断しました。   

  


参考資料3  輻射器(Ra)全長 0.423λ
  設計周波数 50.802MHz

波 長 S1 Ra S2 Rf 単位 出 展
5.90
2.49 1.38 2.50 0.62 2.55 (m) 50MHz 3素子_ZLスペシャルアンテナ (xrea.com)

300Ωフィーダ使用
ブーム:VP25、エレメント:VP13
- 0.4216 0.2337 0.4233 0.1049 0.4318 (λ)
0.996Ra 1.02Ra


参考資料4  輻射器(Ra)全長 0.442λ
  設計周波数 28.5MHz

波 長 S1 Ra S2 Rf 単位 出 展
10.52
4.45 2.00 4.65 1.18 4.76 (m) 28MHz 3素子  ZLスペシャルアンテナ
アンテナハンドブック(13) p120
エレメント    は300Ωフィーダ
フェーズラインには200Ωフィーダ
ブーム:木製角材 エレメント:竹
- 0.423 0.19 0.442 0.112 0.452 (λ)
0.957Ra 1.023Ra


参考資料5  輻射器(Ra)全長 0.445λ
  設計周波数 〇〇MHz

波 長 Ra S2 Rf 単位 出 展
 − 
  −  (m) ZLスペシャルアンテナ
アンテナ・ハンドブック(13) p369
300Ωフィーダ使用

0.445
0.11 0.454 (λ)
1.02Ra





   
          2024-02-06までのアンテナ試作結果(82.5MHz用, 93.5MHz用)と
          参考例1〜5 について
          Rf/Ra比 および Ra を軸にした分散図を作ってみました。


          参考例2 は輻射器のものFDP(フォールデット・ダイポール)なので,1.000の位置に参考表示しました。

     輻射器の全長が 0.420λ〜0.445λ に分布していることについて

          結構奥深いので要点だけ・・・
            ・ 半波長ダイポール(フォールデットダイポール含む)は0.5λよりわずかに短い長さで目的周波数に共振※
                                           (※給電インピーダンスの虚数部がゼロとなる)
            ・ エレメントが絶縁被覆導線の場合絶縁被覆の誘電率による波長短縮も発生
               ( 支持物(塩ビ管やグラスファイバーロッド,木材等の絶縁物)の影響もありそう )
            ・ 300オーム平行フィーダは
              本来の給電線としての用途(伝送モード)では大地や近傍の金属等の影響は限定的で,
              波長短縮率の試験環境が規定されており,
              その値は 0.85(10MHz)・・・ 今回仕入れたフィーダーの仕様。
                     0.85 程度   ・・・ 参考文献(12) 
                     0.82〜0.85 ・・・ 参考文献(13) CQ出版 アンテナ・ハンドブック 1990第版 p343
              一方,
              アンテナ素子として使用した場合(放射モード)では,
              単線の導体を用いたダイポールアンテナと同様に,直下の地面(や近傍の金属屋根等)からの反射波の影響を
              受け共振周波数や放射抵抗が変化します。 また絶縁被覆やエレメント支持(添木)材の誘電率も影響。

              以下の図は,MMANAにて,フォールデットアンテナ(裸導線)の
              地上高(リアルグランドを選択)を変化させた場合の,共振周波数・放射抵抗のシュミレーション結果です。
            
            

          このシュミレーション結果から
          短波帯(波長100m〜10m)のアンテナの場合,
          自宅の庭や屋根の上で 1/2波長以上の高さに設置できることは希れであり,多くの場合,
          設計値より共振周波数が下がる環境と推察。
                    
          一方、
          VHF帯(波長10m〜1m)とくにFM放送周波数帯(波長4〜3m)の場合,
          地面や金属屋根からアンテナを 1/2〜1波長離すことが可能であり,
          1/2波長以上の地上高では共振周波数が一定幅以下で変動し収束傾向をもつことが判ります。
          フレネルゾーンの視点から
          第一フレネルゾーンは送受信アンテナの前面だけでなく,アンテナ直下や背面(アンテナから0.5半波の範囲)も含まれます。
          このことから地上高1/2λ以上の確保はけっこう重要。

          
          結 論
            短波帯(30MHz以下)のアンテナ製作事例は固有の設置環境(地上高・近傍に構造物有無など)や、
            エレメント素材(裸線?被覆導線?平行フィーダ等)に適した出来上がり寸法となっていると考えられる。
            よって輻射器の寸法を決める係数は僅かに小さくなる方向にシフトする傾向が伺えます。
            
                                    
           FM放送帯の屋外設置アンテナの場合は,1波長前後の地上高で運用する前提で設計してよいので、
           
K= 0.90 (フォールデットダイポール全長 0.450λ)あたりからカットアンドトライを始めるか
           K= 0.89 (   同上           0.445λ)で製作し無調整で使用するのもひとつの選択子となります。
            ※自身の限られた試験環境で辿りついた値は K=0.885 でしたが,
               一連の試作・評価結果からは,0.89のほうが良いと思われる場面もあり,
               次回はこの値で設計評価したいと思っています      (2024-05-18) 
                                                           
       

 
 





【とりくみ,1−2】 平行フィーダ・アンテナ(平行フィーダを用いたアンテナ)の試作




    広帯域_フォールデットDP として照会されていた文献の写し
    これをヒントにして、
    FDP_77/68を試作しました

   

         300Ωの平行フィーダ(給電線)を用いた,FM放送受信用 フィーダ・アンテナ(フォールデット・ダイポール形)を試作しました。

            ・ FDP_86.5cm((エレメント中心〜端までの長さを86.5cmとした意味での呼称)
                           ・・・適当なサイズで作り共振周波数測定・・短縮率(仮置き)を求め ⇒ FDP_67cm以降のアンテナを作成した。

            ・ FDP_67cm      ・・・基準にしているDP_69.5cmより利得が 1.7dB不足

            ・ FDP_68cm      ・・・基準にしているDP_69.5cmより利得が 0.6dB不足 ・・・【まだエレメント長不足ぎみ】

            ・ FDP_76cm&67cm(広帯域化を図ったアンテナ、77cmノエレメントの67cm位置で短絡片を設けたもの)
                           ・・・基準にしているDP_69.5cmと  利得が ほぼ合致(0.2dB大)   

            ・ FDP_77cm&68cm ・・・基準にしているDP_69.5cmと  利得が ほぼ合致(0.1dB大)
                                    93.5MHzだけでなく82.5MHzの利得もアップ

  
  
           
         
300Ωの平行フィーダ(給電線)を用いた,FM放送受信用 フィーダ・アンテナ(ZLスペシャル形)を試作しました。

            ・ 
BZL_80/71_82/72 (広帯域型のFDPを 輻射器 と 反射器に用い位相給電)
                           ・・・比較対象としたAFDP_77/68 より利得が 5.4dB増加(82.5MHzにて) 
狙った利得増(4dB)を越える成果
                           ・・・比較対象としたAFDP_77/68 より利得が 1.4dB減少(93.5MHzにて)  Aのような広帯域特性狙ったが残念

            ・ 
CZL_71_72 (93.5MHz用のFDPを 輻射器 と 反射器に用い位相給電)
                           ・・・比較対象としたAFDP_77/68 より利得が 0.8dB減少(82.5MHzにて)
                           ・・・比較対象としたAFDP_77/68 より利得が 5.6dB増加(93.5MHzにて) 
狙った利得増(4dB)を越える成果

            ・ 
C+導波器 (Cに68cmの輻射器 を追加し、3素子形にした)
                           ・・・比較対象としたAFDP_77/68 より利得が 0.7dB増加(82.5MHzにて)
                           ・・・比較対象としたAFDP_77/68 より利得が 7.1dB増加(93.5MHzにて) 
Cより+1.5dBの利得増が得られた
                                   ※導波器の追加でブーム長が3倍になり,ちょっとデカい!!
                                                                          

         
BCの諸元など
              ・ 放射器(Ra)の波長短縮率 0.885 
 0.4425λ (CQ出版社のアンテナハンドブックでは 0.445λ〜448λ
              ・ 反射機(Rf)の長さ 1.014Ra          (CQ出版の参考文献では 1.02Ra〜1.045Ra )
              ・ エレメント間隔(S)  34cm            (CQ出版の参考文献では 0.11λ=35cmの方が良かったかも?)

         
C+導波器 形について 
             ・ 導波器(D)の長さ   0.957Ra       
(300Ωフィーダ_68cm  0.957×Raは アンテナハンドブック p120から引用 0.94〜0.97)
             ・ エレメント間隔(S2)   61cm  
                         



      
ZLスペシャルアンテナ(導波器付き ZL_71_72 )寸法図
 

            ・ 300Ωの平行フィーダの放射モードでの波長短縮率は,限られた環境で得られた 0.885を用いました。
             
次回は 0.890で設計・評価してみたいと思っています
            ・ Rf=1.014Ra は攻めすぎと反省、1.02Raで良いと思います。
            ・ 71cm×2 と表記しているのは、中心から端までの距離が71cm、エレメントの全長はその2倍という意味です。
           ・ Sの長さを実測したところ,なぜか36cm!!  原因は位相給電フィーダの長さを35cmにした為・・・。
             SがRaとRfのエレメントの幅分広がったため・・・。 
           ・ 導波器も300Ωのフィーダーを使用しています。 
            ・ 給電部にコネクタ付きの短い同軸ケーブルを直付けしました。 中継コネクタを介して長いケーブルと接続して使用。
            ・ 給電部および反射器と位相給電部の電気的接続部(ハンダ付け部)については,
             移動運用時の組み立て・分解時に機械的ストレスを繰り返し受けることから,グルーガンを用いた補強をしました。
            ・ 300Ωフィーダを角材やプラポールへの固定は,組み立て・分解の繰り返しを考慮して,紙テープ(塗装養生用)を使用しています。

             
             




                
CZL_71_72 地上高7.5m(自宅2Fベランダ+4.5m)に上げた際の写真
                  
導波器71cm×2、反射器72cm×2、ブーム40cm  全重量290g(市販の2素子型の約1/3 と軽量 )



      C’導波器付き ZL_71_72  の移動運用時の姿
        軽量なので,グラスファイバ伸縮ポールの先端部に電工テープで固定できてしまいました(お勧めできませんが)。
        ブームは手持ち材料の都合で接ぎ木しています。
  ・・・・ブームが木材のため雨天時には使用できません。




          ブームの穴あけ精度(平行度)を出しやすい角材(木製)を採用したのですが・・・,
          ブームの接ぎ木部分のロックピンとエレメント貫通穴の加工精度の悪さが災いし,
          移動運用を繰り返しているうちにエレメントの平行度がとれない状況になってしまいました!    (2024-04-21 牡鹿半島で運用した際の写真)


          そこで,塩ビパイプ(外形26mm)を使ったブーム作りに挑戦。
          安物ドリルスタンドの横ぶれ対策の目途がつき,以下写真のようなエレメントの平行度がとれたブームが出来たのですが
          安物ドリルスタンドがいとも簡単に壊れてしまい、最初で最後の作品になってしまいました!

               
              

          今後,県外FM局(78.6MHz)のアンテナも作ってみたいと思っていたので・・・思案。  
                                     
            近所のDIYショップにレンタル工房があったのを思い出し,
            覗いてみたら・・・リョービ製と思われるボール盤が置かれており
                購入材料の加工なら30分間無償, 延長は500円/30分。
                持込材料の加工は   500円/30分  
                ドリルの刃は各自準備とのことでした。
                        
            
              
                 ↑DIYショップのレンタル工房            ↑自宅用 小型ボール盤(REXON DP2250R)
   
          
          丸パイプに平行な穴を開ける治具を検討してみました  
          
          
                    パイプをこの治具に養生テープ等で数か所固定することで,
                    平行な複数の穴あけができます。

          
              
小型ボール盤のバイスで挟んでみました。
                 






【とりくみ,1−3】 同軸ケーブルをエレメントに用いたLOOPアンテナの試作
                 DLOOP_371(LOOP周長371cm)の登場

    
  
  

     
                  DLOOP_371 アンテナ頂部地上高7.5mに上げた際の写真 
                               
緑色に見える棒がプラポール(直径5.5mm)


         
DLOOP_371 アンテナ
            (構造と受信電圧測定の概要) 
                同軸フィーダ S5C-FB(黒色 4m弱)の網線部分を輻射器とする周長1λのループアンテナ
               エレメントの上下部分をプラポール(緑色 5.5φ×1.8m を2分割)で支持 する構造を採用。 
                給電点に 300Ω:75Ωの変換器を接続し, 給電線に 4C−FB(75Ω)×5.2mを 接続して受信レベルの測定を行った。
                アンテナマストにはアルミ収縮ポールを使用しました。
                写真はLOOP頂部が地上高7.5m (2Fベランダの3m+アルミ伸縮ポール4.5m)



            (設計周波数 82.5MHzのつもりで,3.71m(延長率1.03)で試作したのですが・・・・)  
                周長を 3.71m にして LOOPアンテナを製作したところ。
                実測した共振周波数 81.3MHz  (LOOP頂部の地上高7.5m (2Fベランダ +4.5m) にて)
                  結 果:LOOPの周長(m)=1.0054×300/設計周波数(MHz)  
                         ※共振周波数の測定法・正確性に課題あり,追試方法検討中・・・・。



            (LOOP周長の延長係数について)    
                今回使用したS5C−FB(マスプロ電工)の外部導体の外形は5.8mmであることから
                MMANAで,半径R=2.9mmの裸導体を使用した場合の共振周波数をシュミレーション
                    シュミレーション結果:  共振周波数 88.197MHz, インピーダンス127.2Ω (リアルグランド地上7.5m)
                よって、 
                   5.8φの裸導線(またはアルミパイプ等)を使用した場合
                         LOOPの周長(m)=1.091×300/設計周波数(MHz) 
                               ※短波帯で2φ程度の裸線を使用した場合 延長率 1.03
                               ※VHF帯で6φ程度の裸線を使用した場合 延長率 1.09 となる
                S5C-FB を使用したときに 延長率が 1.0054 に見えるのは
                S5C−FBの外皮(誘電体)による短縮率が 0.92 あたりの値をもっており相殺されたと推察

                ※ LOOPアンテナのエレメントに延長率が必須な理由・・・・・こちら(参照先を準備予定) 


           
共振周波数付近および1.15倍の周波数での実測利得について
                共振周波数の1.01倍にあたる 82.5MHzで 0.2dBd 
                     〃    1.15倍にあたる 93.5MHzで 1.7dBd  の利得をもつ事を確認した。
                  ※共振周波数の測定法と正確性に課題あり,追試方法検討中・・・・。

            (次回、同様形式のアンテを作る場合に追及したいこと)
                給電点のインピーダンスの変化が気になるが,
                設計周波数の1.5倍の周波数までの利得増加が見込めるので周長を延ばし,
                FM放送帯をフルカバーすることが可能?
                この時の利得カーブを描いてみたい!




【とりくみ,1−4】 試作したアンテナのフィールド試験



   
         
   
      
   
   
              
CZL_71_72(ZLスペシャル_2エレメント)アンテナにて 106.2dBμV の受信電圧、
          利得は5.2 dBd
 (←@基準DP_69.5 の受信電圧との差) 
             受信機のメーターが気持ちよく振り切れ・・・・!
  
                   

   
  
  

     
自宅2F_ベランダから海抜80mの公園に場所を変えて、
    3種類のアンテナ(C@D)の受信電圧を測定
    ※地上高2〜4.5mの間で,地上高が約3m高のときが最も受信電圧が大であった。

    CZL_71/72の 海抜80mの公園で実測したフロントゲインは
                       5.2dBd
 (自宅ベランダでは5.7dBd)

         指向特性(水平面)は下図のとおりです
   


      CZL_71/72の MMANAによるシュミレーション結果(参考)
         フロントゲイン_4.76 dBd  F/B比_13.3dB
   

     
   

   ・ 2素子八木アンテナの最大利得は4.7dBd(6.8dBi)程度であることから,
     MASPROおよびDXアンテナアンテナ利得の単位はdBdと判断。

   ・ 
C ZL_71/72 の利得カーブを 鎖線で
     導波器付き ZL_71/72 の利得カーブを 一点鎖線
で示しました。

        自宅ベランダ環境で5.6dBd(ZL)とか 7.1dBd(導波器付きZL)の利得が
        確認しているものの,40〜50m離れた裏山の影響が懸念される為,  
        MMANAによるシュミレーション結果を引用しました。



 
DLOOP_371(設計周波数82.5MHz)について
      距離  9.7km 海抜  80m 城址公園
      距離 27.9km 海抜 100m 大高森   での受信電圧を示したグラフです

      LOOPアンテナの特徴など
         ・広帯域であり, 
          設計周波数より高い周波数で利得増がみられた
         ・ダイポールアンテナと同様,単体で使用時は,マルチパス排除力は期待できない
          また背面 数m〜数十mにある構造物や樹木での反射波の影響を敏感に受ける。
       
      ※八木系アンテナは,反射物が作った定在波の山や谷の中に各素子が跨るためか,
                    LOOPアンテナやDPアンテナ程の敏感な影響を受けにくい感触があった(メモ)
    
               






【とりくみ_その2. 現行の_家庭用FMアンテナの特徴・傾向について 】
                                   (工事中)
 マスプロ電工の屋外アンテナ(3機種)
      ・ FM8A
      ・ FM5A
      ・ FM2A   
  
  



DXアンテナ
  
   

  



日本アンテナ

     資料調査中

  
       


以上

遠距離受信_成果new

(副題:無電源FMラジオの遠距離受信に挑戦 )は・・・・こちら